旧年中は、いろいろな方々にお世話になり、本当にありがとうございました。
昨年同様、本年もよろしくお願い申し上げます。
さて今年は、いよいよ4月に消費税の増税が控えております。
社会的に大騒ぎになることは間違いでしょう。
事実私たち消防設備の業界でも、10月以降とんでもない影響がでています。
毎年秋口は大規模修繕が多く、その際外周には足場を掛けなくてはならないのですが、この足場板が足りなくなってしまったのです。
足場を扱う業者にすれば、これは消費税増税と言う一過性のものなので、むやみに増産する訳にはいきません。
また運よく足場を確保できても、今度は作業する人間がおらず、2・3週間作業が止まってしまった現場が少なくありません。
原因は、現場の絶対数が過剰であるのに加え、原発の作業員として借り出されていることと、オリンピックの為の建設にかかわるものによるものと思われます。
これは、増税以降もしばらく続きます。
これは、一般の人からすると “ふ~ん、そっか。” 程度で流して聞いてしまうかもしれませんが、請負業者にとってはとんでもない危機なのです。
まず、足場の問題について。
足場というものは、通常リースで期間を決めて作業します。
足場の在庫に余裕があれば、同時にいくつかの現場の作業をできるのですが、これがなくなってしまった場合、1つの現場が終わってその足場を次の現場に使用しなければなりません。
つまり、同時に現場を進めることができない訳で、現場が交通渋滞のように数珠つなぎになります。
これは、受注していても効率よく売り上げを上げることができないことを意味します。
次に作業員不足の問題。
これは、もっと深刻です。
作業に入れず工期が延びるということは、足場板のリース期間も延びる訳で、当然費用も余分にかかります。
また、次に始める予定の現場も予定通り始めることができません。
さらなる交通渋滞を招く訳です。
最後は、契約上の問題。
今回の現象は、消費税増税による駆け込み注文によるものです。
つまり、3月末までに完工しなければ、増税後の8%になってしまいます。
契約が3月末にまでなっているのにそれに間に合わなかった場合、最悪損害賠償を起こされる可能性もあります。
最悪の損害賠償は免れたとしても、悪意ある元請だと消費税の差額の負担に加え、迷惑に対する値引きを要求してくることも十分考えられます。
いくら応じられないと断っても、じゃあ終わっている代金もすべて払えないよと開き直られたら・・・・・。
何せ請負金額が、我々末端の業者は多くても数百万で済みますが、1次下請業者あたりは数千万から億になることすらあるのです。
金額は別にしていずれ払ってもらえるにしても、保留されている間資金が回ればいいのですが。
たった3%の差額だったとしても、5000万なら150万純利益がなくなる。
でもそれを躊躇していれば、その間数千万の代金の支払いが遅れてしまう。
実際によくあるケースで、考えただけでもゾッとします。
このような物件が次々発生したら、どんな企業でもまず倒産は間違いないでしょうね。
こんな危機的状況に突入する今年は、あらゆる事に神経をとがらせ、慎重にやり過ごす方法以外思い当りません。
安倍総理は、このような事を予測しているのでしょうか。