年明け早々に設置した吊り下げ式のサンドバック。
皆さんからの評判は大好評
格闘技の練習やレッスンで使用している時間帯には、活気のある音や掛け声が聞こえ、以前にも増して気合いが入っています。
同じサンドバックに見えても、その差は歴然ですから当然テンションも上がります。
何と言っても、ドンピシャの距離とタイミングで打込んだ時に出る“スパーン”という乾いた音が出た時の快感は、他では例えられません。
格闘技をやったことがある人なら、この違いわかると思います。
ところで、格闘技好きな皆さんは、サンドバック購入時の使用前に必ずやっておきたいことがあるのを知っていますか?
ジムや練習場で、サンドバックにテープが巻かれているのを見たことがあると思います。
実はこのテープを巻くことが非常に大切なのです。
通常これを見た時ほとんどの人は、
「ああ、たくさんの人が使ったから壊れたんだな・・・。」とか「きっと古いから穴が開いてしまったんだ。」
と考えるでしょう。
確かに、長年使用していれば傷んでくるので穴が開いたり破れたりもします。
時間が経てばね。
でも、実はそれよりもっと意外で大切な役割があるんですよ、このテープには。
何で穴もほつれもない使用する前の新品に、わざわざ見栄えの悪いテープを巻く必要があるのか?
誰が考えても、最初は綺麗なままで使いたいですよね。
でも、何もしないでそのまま使用してしまうと、後で取り返しのつかない結果になってしまうのです。
その理由は、サンドバックの構造にあります。
サンドバックは、内部に布やウレタンなどの緩衝材となるものがぎっしり詰められています。
この詰め方によって硬くしたり軟らかくしたりするのですが、いずれも役割は緩衝材です。
もし、サンドバックという名の通り、中に100%砂を詰めたなら、石のようになりとても叩けたものではありません。
本場のタイに行けば、砂を詰めたものを実際に使用するジムはあります。
しかしこれは、練習する目的というより、主に脛や拳を鍛える目的で使用されているのです。
日本のジムにある物とは、少々目的が違う訳です。
緩衝材として詰め物をするということは、適度に空間が無ければ役をなしません。
ですから、最初はこの空間がほぼ均等になっています。
ところが、縦に下げて叩いたり蹴ったりするうちに、重みで中身が下によってしまいます。
分かりやすく言えば、水を入れたゴム風船。
結果、上の方はスカスカ、下の方はカチカチになってしまい、使い物になりません。
一度こうなってしまったら、サンドバックを開けて詰め戻さない限り、もう元に戻すことはできなくなるのです。
そうならないようにするため、空間があるうちに絞っておき、下に集まらないようにしておくのです。
下の写真を見てください。
新品の状態にテープを巻くと、こんなに皺がよるほど空間があることが分かります。
このちょっとした気配りが、先々大きな違いになるんですね。
いかがですか?
たぶんほとんどの人がしらなかったのではないでしょうか?
このような小さなことの積み重ねが色々な場面で役に立ち、やがて信頼に繋がるのだと私は思います。